1990年サウス・ロンドンにて、ポール(G/Vo)、ジョン(B)、デック(Dr)により結成されたMIDWAY STILL。90年代の活動時には、多くのツアーをMEGA CITY FOURやSNUFFと過ごし、LEATHERFACEとも関係が深かったのは事実。またNIRVANAの初のUKツアーをサポートしたのも彼等だった。その理由はNIRVANAのマネージャーの熱望によるものだったことは、あまり知られていない情報かもしれない。そして余談だけど、MEGA CITY FOURのツアーマネージャーをやっていたのが、現在SOUTHPORTのベーシスト兼巨人、ロイド(ex-BLOCKO)だったというのも面白い。その時に、後のSOUTHPORTで一緒にやることになる3人が、すでに一緒に時を過ごしていたんだから。
「バーズ meets メタリカ」と形容されたサウンドは、繊細なメロディーとハードなサウンドを同居させた、まさに90年代ロックンロールの姿と言っていいんじゃないかな。その音楽性は海外ではHUSKER DU、DINOSOUR JR.、LEMONHEADSまでも引き合いに出されている。
92年にFIRE傘下のROUGHNECKからリリースされた1stアルバム “DIAL SQUARE” は、N.Y.ロック界の鬼才「ドン・フレミング」がプロデュースを手がけ、豪快な分厚いギターサウンドを全面に打ち出し、90年代初期を代表する極上のロックンロールアルバムと言っても過言ではないだろう。NMEマガジンでは年間チャートの12位を記録。事実このアルバムは国内でもメジャーレコード会社(テイチク)からリリースされた。次いで93年にリリースされた2ndアルバム”LIFE’S TOO LONG”はLEATHERFACEのフランキー・スタッブスがプロデュースを手がけた。この作品はギターポップファンにまで、愛されるバンドへと成長したが、国内ではたいした話題にもならなくてひっそり、あっさりとその幕を閉じてしまうのだった。いいアルバムだと思うんだけど。
当時のUKのバンドの中でもひときわ地味地味と言われて、さらにバンドロゴがださいバンドグランプリに輝いちゃったりとしたバンドだったけど、彼等が残した作品たちは、年月を経てもなお劣化することなく、むしろ中毒性を増し、さらに輝いている。
2010年ついに再結成、そして17年の時を経てリリースされる今作「NOTE TO SELF」はこれまでの彼らのベストリリースとなる名盤になっていると思います。
この新譜でも聴くことの出来る彼等のサウンドはパンクロック経由のラウドなドライビングギターに、イギリス特有の流れるメロディーが絶品な、パワフル・バズ・ポップ!これぞまさにMIDWAY STILLとしかいいようのないオリジナリティー。古くからのファンだけでなく、初めてこのアルバムを聴く人まで哀愁があって陰りがあるメロディーが好きな人だったら確実にノックアウトしてくれるはず!
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(収録曲)
1. It Ain't Right
2. Note To Self
3. Drag To Care
4. Your Last Mistake
5. New Black World
6. It's Your Life
7. Staring At The Sun
8. Count Me Out
9. I Don't Care
10. In Your Room
11. Shadows
12. Claret