発売から時間は経っていますが、レーベルのインフォにコメントが一切なくレコ屋が聴いた感想をコメントにと。これを目にした時、最近のレコ屋のレーベルINFO転載への挑戦状かと捉えて面白かった。リスナーはやはりレコ屋のコメントが楽しみであり、参考にしていた。もはやリリースしたCDを置いて貰えない時代とメジャーの人間ですら発言していたが、この肥大しすぎてしまった音楽産業とレコ屋事情が現実なのも確かだ。もはや何で関心を引くのか?やはり自分の耳で確かめたコメントに勝るものはない。それはレコ屋の使命であり、情熱のはずだ。
前作のEPでもそうだったが、重くのしかかる轟音が壮大な世界観と張りつめた空気感を醸し出し、ストーナーテイストも交えた静と動。海外には多くいるが日本じゃそんなに多くないスタイルはバンドの世界観がはっきりと誇示している。個人的には90年代から2000年代のFLATEARTH周辺に近いものを感じ、ヨーロッパのダークエモーショナルスラッシュ例えばDAGDAやUNHINGEDが魅せたエモーショナルさと爆発力がGOUMにも感じる。歌詞もうわべではない。エクストリームなサウンドを放つバンドとの共演が多いのもこれを聴けば納得する。ブラックメタルが地下で盛り上がりをみせ蠢く中、このバンドもそのサウンドアプローチに近いものを感じずにはいられない。だが根底にはやはり日本の古きハードコアがあるのも忘れてはならない。どんどん縮小ぎみのシーンではあるが、バンドの熱意が消えなければ良い物は残ると信じ続けるべきだろう。